いつも綺麗な言葉しか使わないあなたがひどく貶したあの人を、心底羨ましいと思った。いつだって、そういう存在になりたかった。世界の端っこにずっと居るみたいな疎外感は、あなたの目に映ることでなんとか飲み込めたはずなのに、私はその瞳の端にいることを知ってしまった。綺麗な、本当に綺麗なアーモンドみたいな目。弓なりのカーブから生える下向きの睫毛。左右対称の大きな目。あの人を見つめているときだけにする、歪な目。
あなたの首を絞めた時、あなたは抵抗するでも無くただ困った。困惑と戸惑いの目は、それでも相変わらず綺麗でまっすぐで、そんなあなたが心底、憎いと思った。